やばいよ!日本の社会保障制度と動き出した認知症予防活動
こんにちは、陽の助です。
最近、認知症の記事や、テレビ番組、広告などをよく目にしませんか?10年程前までは、全然気にもしなかった「認知症」と言う言葉が、最近ではよく目や耳にする機会が増えてると思いませんか?
実は厚生労働省が2015年1月に発表した「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」の発表によると、6年後の2025年には総人口の中で、65歳以上で認知症の診断を受ける方が20%を超えるという試算を発表しています。
これは実に「65歳以上になると、5人に1人が認知症の診断を受ける」という国の試算が発表されたと言う事です。
年々、認知症の患者数は増え続ける見込みで、近い将来「国民病」と呼ばれる日も遠くないかもしれません。その為、厚生労働省もこの認知症観者数の増加スピードを少しでも遅らそうと2015年1月に(新オレンジプラン)を発表したのだと思います。
認知症の増加の他にも社会保障制度上の問題も
しかし、認知症患者数の増加だけが最近、認知症関連のニュースや広告が目につく理由ではありません。その他の理由として福祉業界で問題になっていることがあります。それが団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達する事により、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念されている2025年問題です。
認知症予防の背景を知る
今回のテーマは「やばいよ!日本の社会保障制度と動き出した認知症予防活動」です。これは脅かす為に大げさに話している内容ではなく、実際に日本が直面している深刻な問題です。
2025年問題とは、簡単に説明すると現在、国の社会保障費は上がる一方です。このままではいつか財源が確保できない時が来るのではないかという不安があります。既に、一部の政治家の中からも意見として出ているほどです。もし財源が確保できなければ、現在行われている介護保険サービスの縮小も可能性的には0ではありません。
現在の介護サービスが、現状の1~3割(所得に応じて)負担で受けられない場合を想像してみて下さい。もし財源が確保できず、介護負担割合が1割から2割に増えた場合、単純に介護保険サービスの月の利用料が倍になるわけです。
サービスの内容によっては、とても年金だけではまかないきれないサービスもあるのではないでしょうか?そういった状況に陥らない為に、最善の努力が必要とされていのが現在の福祉業界です。
そして、国は少しでも介護や医療費の削減の為に、未然に「認知症を防ぐための計画」も兼ねて2015年1月に(新オレンジプラン)を発表した経緯があります。
今日はこのプランの内容については深く説明はしませんが、このプランの発表の背景には急激な認知症患者の増加と、急激な社会保障費用の増加が背景にあると知って頂ければと思います。
また新オレンジプランの詳しい内容につきましては今後、需要があれば随時記事を書いていきたいと思いますので興味のある方は是非、コメントをお願いいたします。
ポイント
・厚生労働省は2025年には65歳以上の5人に1人が認知症の診断を受ける試算を発表。
・2025年問題とは、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達する事により、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念されている問題。
そして、上記の問題を見据え厚生労働省は、地域包括ケアシステムの構築や新オレンジプランを発表し対策を行っている。
しかし、地域包括ケアシステムの構築については、各自治体が独自の政策を作り、その自治体に合わせた内容で進めていくという性質がある為、現実問題として各自治体の窓口や、担当者の力量によって大きく政策の進展に地域格差が出ているという問題点もある。
この問題はまだニュースとして取り上げられる事は殆どないが、近い将来必ず、この問題関連がニュースは出てくる事は間違いないと思う。それはもう既に地域格差が出て来て住民からの不満も出て来ているからだ。
最悪を想定して準備する時代が来るかも
そうした認知症を取り巻く社会保障制度の環境の中、今後私たちが気をつけておかなければならない事は、「いつ社会保障制度が現状の体制を維持できなくなったとしても困らない為の準備を自身でしていく」と言う事です。
正直、現在の社会保障制度が永久に続いていくかは誰にもわかりません。
認知症は立場違えば考え方も様々
私が以前に体験した話ですが、二つの認知症家族の会の集まりに参加した際にこんな話を聞きました。
一つ目の会では、参加者A(30代女性)
「お父さんが認知症が進んでいるのに、体は動くから家の中で私の邪魔ばかりをして、毎日喧嘩してしまう。どうすればいいでしょうか?」
会の代表者(50代女性)
「大変ですね。もっと認知症が進んでくると体も動かなくなったり、何もしたくなくなるから、家族ならもう少しの辛抱ですよ」
その場にいた私は
「家族の介護疲れをケアする気持は大事だ思いますが、本人が何故、娘の邪魔をしているか等の、生活に支障の出ている部分には目を向けずに、早く体が動かなくなるまで、症状が進むまで、我慢しなさい!ってアドバイスはどうかと、、、」と心の中で思いましたが、私はその場に見学者として参加していたので何も言えずでした、、、。
二つ目の会では
参加者B(60代男性)
「最近、妻に何回言ってもトイレの失敗が続いて、ワシも毎日、体力的に大変なんですわ。どうしたらいいですか?」
代表者B(70代男性)
「それは大変ですね。けど、みんな同じような経験してきてますよ。一度、こんな風に対応してみたらどうですか?そうしたら奥さんも不快を感じないかもしれないですよ」
その場にいた私は
「この会は、認知症の当事者に目を向ける家族の会なんだと思いました。聞くと会員は男性が多く、男性の介護者は妻に対して「今まで散々苦労を掛けてきたから罪滅ぼし」的な考えを持っている人が多いと聞きました。
同じ介助者でも考え方は様々
上記を読んでどう思いましたか?(女性は冷たくて、男性は温かいっていう内容ではないのであしからず)
同じ介助者でも代表者Aは主に娘の介護疲れに配慮した返答をし、代表者Bは主に認知症患者の立場にたって返答をしていると思います。
ポイント
世の中には、代表者Aさんの考えでアドバイスをする人もいれば、代表者Bさんの考え方でアドバイスをする人もいます。皆さんを取り巻く介護業界の環境は様々です。
なので、皆さんの将来を、すべてを自治体や国に任せるのではなく、あらかじめ自分で自分の進みたい道や、サービスプランは立てておく事が必要な時代が来るかもしれません。
特に認知症予防に必要な物は、正しい知識と時間
最後に、現在の認知症予防を取り巻く社会環境について説明させてもらいましたが、これだけは、どうしても伝えたいことがあります。
それは、認知症予防については正しい知識とトレーニングする時間さえあれば、殆どお金をかけずに予防ができると言う事です。
次回は日頃、実際に私たちが行っているん認知症予防のトレーニングメニューや、脳機能別に脳の説明を詳しくしていきたいと思います。
「最近、車の運転に自信がなくなってきたなぁ」
「あれ?こっちの部屋に何を取に来たんやろ?」
「え~と、この家電製品どうやって使うやろ?」などなど
様々な事例を基に、具体的なトレーニング方法を紹介していきたいと思いますので、是非続きも呼んで頂ければと思います。