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認知症基礎講座 「認知症の症状」 中核症状とBPSDを知ろう

こんにちは陽の助です.

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今日は自治体の障害者福祉センターへ勉強に行ってきました。

 

 

1-1 認知症の症状

 今回も認知症基礎講座の続きで、認知症の症状について、解説していきたいと思います。ひとえに、症状と言っても、前回紹介した4大認知症の特徴の様に、病気によって様々な症状も出てきます。先ずは今回、紹介する症状とは認知症全般に現れる症状」と理解して頂ければと思います。

 

1-2 中核症状について

 中核症状とは、脳の機能低下が原因で直接起こる症状と呼ばれています。一般的には記憶障害、見当識障害、理解、判断力の低下、実行機能の低下などが挙げられます。

 

1-2-1 記憶障害とは

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え~と、思い出せないな

 疾患により、記憶を司る脳の海馬大脳という部分の機能が低下する事により、生活に支障がでている状態。

 

 具体的には


・日付の感覚が曖昧になり、服薬などの管理が困難な為、家族や介助者が服薬管理を行っているケース。


・食事を取った行為自体を忘れ、何回も食事を取ってしまう事がある為、家族や介助者の食事提供が必要なケース。


・家族や知人の顔を見ても、名前が思い出せず、周囲の介助者に名前を教えてもらう必要があるケース。


などなど、短期記憶・長期記憶ともに機能が低下したことにより、周囲の介助が必要となる状態を「記憶障害」と言います。

 

1-2-2 見当識障害とは

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あれ?道に迷ったぞ

 疾患により、前頭葉の機能が低下する事によって「今は何時何分で?ここは何処か?あれは誰か?」を認識する能力が低下し、生活に何らかの支障が出ている状態を見当識障害」と言います。

 

 具体的には


・時間の感覚が曖昧となり、デイサービスのお迎えや、決まった時間に行動を始める事が難しくなり、周囲の介助者による、声掛けや誘導が必要となるケース。


・場所の感覚が曖昧となり、自宅に居る時も「ここは病院か?」など違う場所にいると勘違いする事があり、その都度、周囲の介助者が声掛けや説明が必要となるケース。


・人の顔の認識が困難となり、家族でも「あなたは誰?」や「息子を夫」と勘違いする事があり、その都度、周囲の介助者が声掛けや説明が必要になっているケース。


 などが見当識障害」の例で挙げられます。また一般的には認知症の進行が進むにつれて、時間の感覚 → 場所の感覚 → 人の認識 の順に、分かり難くなってくると言われています。

 

1-2-3 理解・判断力の障害とは

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おや?どっちだろう

 疾患により、前頭葉の機能が低下し、生活全般で理解や判断が難しくなり、生活に支障が出ている状態。

 

 具体的に

・以前は車の運転中に時速60キロで標識を見ても理解できたが、判断力の低下が原因で時速30キロ以下でないと標識が理解できず、運転に困難さが出てきた為、家族や介助者が送迎を行うようになったケース。


・言語能力の低下により、以前はドラマや小説が好きであったが、最近は見てもストーリーが頭に入らなくなったり、誰かとコミュニケーションを取った話の内容が頭に入らず、生活に使用が出る為、家族や介助者の関わりが必要になるケース。


・計算能力の低下により、買い物の際に、おつりの計算が難しくなり、紙幣での支払いが多くなり、小銭が財布に貯める事や買い物自体が、困難となり、周囲の介助者の関わりが必要になるケース。


 などなど、判断力のスピードや、言語能力、計算力の低下などがあり、周囲の関わりが必要になっている状態を「理解・判断力の障害」といいます。

 

1-2-4 実行機能障害とは

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う~ん。悩むな

 疾患により、前頭葉の機能が低下する事によって起きる障害。頭の中で順序立てたり、効率的に作業を行ったり、一度に複数の作業を行う事が難しくなる状態。

 

 具体的に

 

・以前は味噌汁を作る時に、お湯を沸かせながら、出汁をとる準備をし、具材を着る事が出来たが、順序立てたり、一度に複数の作業を同時進行する事が困難となり、料理をしなくなった為、家族や介助者が調理を行うようになったケース。

 

・遠出をしたいと思った際に、以前は電車でどこまで行って、そこからバスに乗り換えて、徒歩で何分など、ルートを事前に考える事が出来たが、困難さが出てきた為、家族や介助者の付き添いが必要になったケース。

 など、事前に計画を立てて、行動を実行する事が難しくなり、周囲の介助者の関わりが必要なっている状態を「実行機能障害」と言います。


2-1 行動・心理症状(BPSD)について

 行動・心理症状とは、本人の性格、環境、人間関係、生い立ちなどの要因が複雑に絡み合い、精神症状や、生活に何らかの支障をきたす、うつ状態や、興奮、暴力などが挙げられます。

 

2-1-1 行動・心理症状の主な症状

 まず最初に理解して貰いたい事は、行動・心理症状は人によって、症状はバラバラです。その為、その症状の原因には本人の性格や環境、周囲との人間関係、過去の生い立ちなどの要因が複雑に絡み出ている症状です。

 

 その条件を踏まえて、主に出てくる症状としては、「不安・焦燥」、「うつ状態」、「幻覚・妄想」、「徘徊」、「興奮・暴力」、「不潔行為」などが挙げられますが、同じ症状でも、人によっては起る原因がバラバラの為、大事な事は、「個人を理解し、なぜ症状が出ているのか?」を考える事です。

 

 一般的にはこの、行動・心理症状(BPSD)は、適切なアセスメントと対応次第では治る可能性のある症状だと言われています。その個人の立場に立って、症状の原因を考える事が、解決のポイントとなります。

 

3 まとめ

 今回は認知症の症状」をテーマに中核障害と行動・心理症状(BPSD)の2種類の症状を解説していきました。

 中核症状・・・脳機能の低下が原因で、直接的に生活に支障が出る症状。

 BPSD ・・・個人の性格や環境、人間関係、過去の生い立ちなど様々な要因が絡み合って現れる症状。

 

 今回は認知症基礎講座と言う事で、簡単に説明させて頂きましたが、分かり難い部分があればお気軽にコメント下さい。

 

 次回は「認知症の診断・治療・予防」について記事を書いていきたいと思います。是非、続きも読んでみて下さい。

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最後まで読んで頂き有難うございました。