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こんにちは陽の助です
1 はじめに
先日、認知症予防教室の参加者の方から「賢い仕事の人ほど将来、認知症にかかりやすいって聞くんですが本当ですか?」という質問がありました。意外と同じ質問を他の参加者の方も聞くので、都市伝説化しているかなと思いました。
実際、認知症とストレスには大きな関係があります。質問では、賢い仕事の人の定義が曖昧でしたが、「気苦労の多い、責任感のある仕事をしていた人」と定義した場合、あながち認知症との因果関係はあると思います。
今回は「認知症とストレス」をテーマに「気苦労の多い、責任感のある仕事の人が認知症にかかりやすい理由」を記事で書きたいと思います。
2 ストレスについて
一般的に、ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。
外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因などの物理的なストレスと、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因などの心理的なストレスの2種類があります。
2-1 物理的ストレスと心理的ストレスを比べてみたら
実験
ここに2匹のマウスがいます。
左のマウスには時々、微弱の電気が流れてマウスにショックを与えます。
右のマウスには何もせず隣の様子が分かるようにだけにします。
つまり物理的ストレス(左マウス)と心理的ストレス(右マウス)の
違いにより、ストレスホルモン放出量を調べる実験を行いました。
2匹のマウスには申し訳ないですが、、、。
実験の結果、どちらのマウスの方がより、ストレスホルモンを多く放出したかという実験結果ですが、皆さんはどりらのマウスの方がよりストレスを感じたと思いますか?
結果
電気ショックを与えられた左のマウスは、初日こそストレスホルモン放出されまくりでしたが、だんだんとその痛みのも慣れてくる事が分かりました。
しかし、その様子をずっと横で見ている右のマウスは、最初こそあまりストレスホルモンは出ないものの、いつその状況が自分にもそれが来るのだろう?というストレスがずっと続くせいで、ストレスホルモンが減ることはなかったという事が分かりました。
どうでしたか?皆さんの予想どおりでしたか?個人的には最初、この実験結果を観たときは意外な感じがしました。「どう考えても、突然電気ショックを受け続ける方が、ストレスを感じるやろ」と予測していたのですが・・・。
しかし、よく考えると納得も出来ました。日頃、認知症予防教室の参加者の方の中にも「足腰や、関節が痛い」と仰る方も多いですが「今は大丈夫ですか?」と聞くと「もう慣れたわ」と仰る方も多いことを思い出しました。
人間も最初は痛いと誰でもストレスを感じますが、それが慢性化すると徐々に慣れてくるのかも知れません。また、それとは逆に、学校の先生や公務員の方の仕事は、生徒や住民の方に対して、日頃から細心の注意を払って仕事をしている方が多い様に見られます。
テレビでは頻繁に「教師や公務員の不祥事」が取り上げられ、一般のサラ―リーマンでは取り上げられない内容でも聖職者である教師や公務員の方のスキャンダルは、こぞって各マスコミが取り上げられます。これって右側のマウスの様に見えませんか?
2-1-1 ポイント
物理的ストレスよりも、心理的ストレスの方が、ストレスホルモンが放出される。
3 まとめ
参加者さんかの質問「賢い仕事の人の方が、将来、認知症にかかる可能性が高いの?」という質問の答えですが、正確に言うと、賢い仕事をしていても、心理的ストレスを感じ難い、自身の好きな研究に没頭する研究者の方は発症のリスクが低いことあります。
大切なことは、どんな仕事に就いていても心理的ストレスを感じ過ぎないことが重要な部分になってきます。近年の研究では「ストレスが脳細胞の減少を引き起こす」という報告も上がって来ています。
なので、日頃、私たちが行っている認知症予防教室でも、このストレスケアの概念から、基本的トレーニングは嫌々やることは逆効果になる為、自身で「楽しくチャレンジできる範囲」で行うようにスタッフの見守りの元、適切な負荷を目指して、認知症予防を行っています。
人間誰でも、好きな事、嫌いな事、興味がある事、ない事は十人十色です。認知症予防の大事な概念として、ストレスケアを行わず、一律にトレーニングを進めてしまうと、効果の出る人もいれば、逆に脳細胞を壊している人もいるかも知れません。
実際、この状態を理解せずのにトレーニングを行って、余計に認知症の進行を早めている人を私は今まで何人も見てきました。なので、今後、少しでもこの記事を読んで頂き、自分にあった認知症予防の大切さに気が付いて頂ければと思います。