(必見)専門職しか知らない、認知症の判断基準!
こんにちは、陽の助です。
今回は認知症(症候群)予防の定義
「自分の年齢以上に脳機能の低下があり、生活に何らかの支障が出ている状態にならない事」の中で、「何らかの支障」について詳しく説明していきたいと思います。
今までのおさらい
最初にこのブログを書き始めたきっかけはに、世の中には認知症予防を行っているつもりが、逆に認知症になりやすい状態に陥っている人が多いと思ったからです。
また、基本的な部分で一般的に「認知症」や「認知症予防」に関する言葉の定義が曖昧な為、混乱している人が多いと思ったのからです。
そんな想いから、書き始めた1枚目の記事では「認知症予防の定義を明確化する事の必要性」をテーマに記事を書きました。
認知症にならない様に、または認知症の症状が進まない様にしたいと考えるのであれば、まず最初に認知症とはどの様な状態かを理解することの重要性を記事にしました。
2枚目の記事では「認知症とはどういう状態か?」をテーマに自身の経験から一番分かりやすい認知症予防の定義として「自身の年齢以上に脳機能の低下があり、生活に何らかの支障が出ている状態にならない事」と説明しました。
また「認知症」の言葉の定義になると、考え方や立場によって、十人十色のイメージや表現方法がある為、「認知症予防」の定義に絞って記事を書きました。
3枚目の記事では「自身の年齢以上に脳機能の低下があり」の部分を更に詳しく説明をすることをテーマに記事を書きました。脳機能の低下の原因を脳細胞レベルまで深く考え、わかりやすく説明する事によって、トレーニングの医学的根拠や、予防の基本メカニズムについて紹介しています。
そして、今回4枚目の記事は定義の後半部分、「生活に何らかの支障がある状態」について更に詳しく書き進めていきたいと思います。
認知症予防とは「自分の年齢以上に脳機能の低下があり、生活に何らかの支障が出ている状態にならない事」と定義した時、「生活に何らかの支障がある状態」という言葉について説明していきたいと思います。
生活への支障は誰が判断するのか?
世の中には、生活に支障があるか、ないかを判断するための明確なチェック項目があります。また実際は誰が判断しているかというと、答えは、医師や、介護保険の申請や更新時に自宅へ話を聞きに来る認定調査員が主に判断を行っています。
ちなみ支障に関する基本的なチェック項目は以下の内容です。これは認定調査員が、調査を行う際に実際に使用するチェックリストの認知症に係る項目、3群と4群、7群を抜粋したものです。
3-1 意思の伝達について
3-2 毎日の日課を理解することについて
3-3 生年月日や年齢を言うことについて
3-4 短期記憶(面接調査の直前に何をしていたか思い出す)について
3-5 自分の名前を言うことについて
3-6 今の季節を理解することについて
3-7 場所の理解(自分がいる場所を答える)について
3-8 徘徊について
3-9 外出すると戻れないことについて
4-1 物を盗られたりなどと被害的になることについて
4-2 作話をすることについて
4-3 泣いたり、笑ったりして感情が不安定になることについて
4-4 昼夜の逆転について
4-5 しつこく同じ話をすることについて
4-6 大声を出すことについて
4-7 介護に抵抗することについて
4-8 「家に帰る」等と言い落ち着きがないことについて
4-9 1人で外に出たがり目が離せないことについて
4-10 いろいろなものを集めたり、無断でもってくることについて
4-11 物を壊したり、衣類を破いたりすることついて
4-12 ひどい物忘れについて
4-13 意味もなく独り言や独り笑いをすることについて
4-14 自分勝手に行動することについて
4-15 話がまとまらず、会話にならないことについて
認知症高齢者の日常生活自立度
自立・I・Ⅱa・ Ⅱb・Ⅲa・Ⅲb・Ⅳ・M
見ての通り、自尊心を傷つける内容も多く含まれている為、細心の注意を払って日々、医師や認定調査員によって聞き取りが行われいます。(なかにはデリカシーがなくずかずかと質問し、トラブルに発展する医師や認定調査員もいますが、、、)
質問の詳しい意味や、判断基準については今後、需要があればどんどん記事にしていこうかと思いますので、興味のある方は是非コメントよろしくお願い致します。
認知症の診断を受けている方への進行を遅らせる予防
意外と知られていないですが、認知症の予防には発症前と発症後の2種類の予防が存在します。ちなみに日頃、私が行っている認知症予防活動は主に発症前の参加者を対象に、様々な脳機能の向上を図る為のトレーニングを通して、自身の年齢以上に脳機能が低下しな様に予防活動を行ています。
一方で、発症後に行われる認知症予防の取り組みとしては、上記に紹介した、支障の項目に対して、該当するものがあれば、いかにその項目のチェックを外していくかが専門職の主な仕事になってきます。
その為には、チェック項目の意味や判断基準の理解から、本人の疾患、性格、環境、過去の人生などなどをアセスメントし、支障に対してどの様なアプローチで接すれば支障が改善するかを日々考え、試行し、検証する事が必要になってきます。
まとめ
・認知症の状態の定義を知らなければ、認知症の発症前、発症後の区別がつかない。
・認知症の予防には発症前と発症後の2種類あり、世の中には定義を知らない為に、発症前の利用者に発症後のトレーニングを行ったり、またその逆パターンを提供する事業所もあり、予防を行っているつもりが、発症しやすい状態に陥っている人がいる。
今までの経験上、こうした状態に合っていないサービスを一度受けてしまうと「あんなところは二度といきたくない!」とトラウマになる利用者も少なくないです。
今後の認知症予防に携わる方々は、こういった事例も踏まえて、その利用者の状態や、その方、個人に合った予防を提供して頂ければと思います。
あとがき
1回目から今回4回目にかけて、かなり個人的な視点から認知症の予防を取り巻く、独創的な記事を書きましたが、少しでも共感して頂ければ幸いです。
次回は視点を変えて、社会的な事実を基に現在の認知症予防を取り巻く社会の流れについて記事を書いていきたいと思います。
是非、続きも読んでみて下さい。