陽の助流 わかりやすい認知症予防

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認知症予防に効く、計算力を高める、おすすめトレーニング!

こんにちは陽の助です。

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最近、ある自治体で「健康や学ぶ事」をテーマにコミュニティを作り始めました。

 今回は脳機能の中の計算力について、説明やお勧めのトレーニング方法を紹介して行きたいと思います。個人的には計算力はトレーニング効果が目に見えやすく、 行っている参加者さんも自身の向上や、維持を感じやすい脳機能の一つだと思います。

 

 計算力とは言葉の定義

 計算力とは、数を理解して計算する力のことを言います。 計算力というと算数や数学といった学問が思い浮かぶ方も多いと思います。「計算力を高めて数学に強くなる」などと言ったりもします。


 しかし、計算力はなにも勉強のときだけに使うものではありません。私たちは時計を見たり買い物をしたりなど、日常の中でも計算力を働かせています。特に、個人的には計算力が高い人というのは様々なごく単純な四則演算が頭の中で瞬時に暗算できる人だと思います。

 

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計算上手は貯金上手?

 

 計算力が衰えると

 計算力を司っているのは、脳の前頭葉という部分です。前頭葉は計算力のほかに、ものの状態や自分の状況を把握する力である「判断力」や、ものごとを順序立てて効率的に行う力である「遂行力」も司っている、認知機能において大変重要な部位です。

 

 前頭葉は、病気や外傷、加齢による脳の老化などによって機能が低下することがあります。前頭葉の機能低下による影響の中でも比較的早い段階から衰えが見られるようになるのが計算力です。

 

 認知症では、計算力の衰えも判断基準のひとつとなっており、認知機能を確かめるMMSEテストにも簡単な計算問題が含まれています。計算力の衰えが進行すると、小学校の最初で習うような簡単な足し算や引き算が難しくなると言われています。


 当然、日常生活にも支障が出てきます。家計の管理ができないばかりでなく、買い物もスムーズにできなくなることもあります。例えば、「合計320円になります。」とレジで言われても、320円が「100円玉×3枚+10円玉×2枚」ということがわからなくなってしまい、支払う小銭の計算ができないため、1万円札など大きなお札ばかりを使用することになり、小銭が異様に溜まっていくといったケースも見られます。

 

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頭の左側から見た人間の脳。前頭葉はおでこあたりです。

 計算力を強化するには

 計算力を強化するためには、一般的には、やはり計算をすることがもっとも効果的と言われています。簡単な足し算、引き算でもよいので、決められた時間内に計算をするというトレーニングを行いましょう。


 また、買い物もできるだけ自分で行う事がお勧めです。買い物をしながら合計金額を計算したり、おつりを自分で計算する、といったことが前頭葉を刺激し、計算力のトレーニングになります。

 

 そして、今まで計算力のトレーニングの研修やセミナーを聴いてきて、個人的に効果的だと感じたトレーニング方法は「学習療法」です。

 

 学習療法とは?

 

【学習療法の定義】

 学習療法とは、音読と計算を中心とする学習を、学習者と支援者がコミュニケーションをとりながら行うことにより、学習者の認知機能やコミュニケーション機能、身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善を図るものです。

 

 また学習療法は、認知症を患った方の脳機能維持や改善、または認知症を予防するための非薬物療法です。学習というイメージから患者さんや、ご本人に難しい問題をやっていただいたり、勉強をさせたりして、脳機能を高める方法と勘違いされている方が多いと思いますが、、、

 

 実は全く違うものです。脳科学の研究から分かっていることは、難しい問題を解いたり、TVゲームをしたりすることでは脳は余り働かないのです。運動すると体が疲れる実感があるので、脳を働かせるときもハードなトレーニングが必要と考えるからでしょう。反対に、簡単な(8+3=)計算を素早く解いたり、文章を音読している時は年齢に関わらず、また認知症の方でも脳全体が活性化した状態になります。


 しかも長い時間取り組む必要もありません。それぞれで5~10分程度でよいのです。これら科学的に分かっていることを組み合わせ、認知症高齢者の脳機能維持や改善、さらには高齢者の認知症予防に用いるやり方を「学習療法」と言います。

 

 人間は人とコミュニケーションしている時も脳が活性化することが分かっています。
特に他の人から誉められたり、認められた言葉がけをされると一瞬で脳は活性化します。さらには目的をもって手指を使う行為でも高い活性度合が得られます。

 

 計算力まとめ

 

 計算力は日々の生活の中で欠かせない脳機能の中の1つです。この計算力は認知症の中でも初期に症状として表れやすい、生活上の何らかの支障です。

 

 その為、脳機能テストの長谷川式やMMSEの中にもこの計算力を測定する問題が組み込まれています。

 

 しかし、この計算力は、現場での感触としては「やればかなりの確率で向上します。」恐らく、脳の前頭葉の中では、以前張り巡らされていた、シナプスの再構築が、簡単な計算やコミュニケーションを通して、効果的に行われているのだと思います。

 

 なので、この種の「生活に対する支障の改善」を目指して、私たちは日々トレーニングを提案できればと考えています。このトレーニングを受けて頂き、「以前よりも生活が楽しくなった」と言って頂けるとすごく素敵ですよね。

 

 脳機能は各部位ごとに的確に刺激を与えられれば、必ずシナプスの再構築が行われます。その時に、注意しないといけない点は、シナプスの再構築に注視し過ぎて、頑張りすぎ疲れたり、ストレスを感じない事です。

 

 ストレスは脳細胞(ニューロン)の減少に大きな原因となると言われています。なのでトレーニングは長すぎず、楽しくストレスを感じない程度の負荷で行う事をお勧めします。今回は詳しく説明しませんが、今後「ストレスと脳細胞の減少の因果関係」についても書いていきたいと思いますので是非続きも読んでください。

 

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最後まで読んで頂きありがとうございました。